ご挨拶
ご挨拶
精神科の後期研修では急性期治療、慢性期治療、精神科救急、老年精神医学、リエゾン精神医学、児童精神医学、司法精神医学などを学ばねばなりません。バランスのとれた精神科医を育てるためには、コーディネーターとなる施設とその施設の長が後期研修の研修内容全体を把握して調整すべきと考えています。北里大学医学部精神科では、北里大学病院でこれらのすべてを経験し、さらに大学での研究会などに参加しやすい距離にある教育関連病院で個々の領域をより深く学ぶことができます。
ある研修医の先生から「精神科では特別な装置が必要ないし、大学病院よりも収入がよいのですぐ単科の精神科病院に勤務して研修しようかと思っている」という相談を受けました。大学病院としては、教育関連病院と連携して後期研修で求められる研修内容全体を学べる教育プログラムを組み、教育関連病院に出向中であっても教室の各分野の専門家にいつでも相談でき、教室内の研究会や研究資料を利用できるような体制が必要と考えています。その意味で、他の精神科病院に負けないようなプログラムを提供しなければならないし、それを実現するように努力しています。また、精神科専門医の資格基準も精神科医の質を高いレベルで保証できるような方向に進んでいますから、当教室のような系統的なプログラムによる研修がますます重要となってくるでしょう。